WordPressのコンテンツにリビジョン管理があるように、HTMLやPHP等のソースプログラムのバージョンを管理するには、TortoiseSVNやGitHubでソース管理ができます。このソース管理をするためTortoiseSVNをWindowsパソコンに導入します。
今回導入するソース管理はSubversionというもので、TortoiseSVNはWindows上でこのSubversionを簡単にコントロールするUIを提供するソフトです。それで簡易的にソース管理=TortoiseSVNといってます。設定としては、まずサーバにSubversionをインストールし、次にセキュリティ確保のためサーバーにSSHも導入します。パソコン側もサーバとSSHで接続するために、PuTTYごった煮というソフトと前述したTortoiseSVNをセットアップします。では順番に説明していきます。
環境
- Windows10パソコン(PuTTYごった煮とTortoiseSVNをインストール)
- Coreserverレンタル(Subversionのインストールおよびリポジトリ、SSH公開鍵の設定)
※括弧内は、インストール、設定をおこなうものです。
PuTTYごった煮のダウンロードおよびインストール
PuTTYごった煮は、名前が少々いかがわしいですがSSH接続のための公開鍵の作成や接続ツールが一体となったプログラムです。最終更新も2007年8月と古いですが現役ばりばりのプログラムですので心配しないで本書にもとづき、Windows10パソコンにインストールしてください。
ダウンロードは、PuTTYごった煮版ページのページ中程にあるインストーラ又はZipアーカイブにてインストールしてください。
本書であつかっているPuTTYごった煮は、V0.60であっため以下の画面イメージは最新版と多少異なっています事を、事前にご了承ください。
公開鍵の作成
公開鍵を作成するには、PuTTYごった煮と一緒にPuTTYgenというプログラムがインストールされたと思いますので、これを起動してください。
生成
起動すると下記のような画面表示がされますので、最初に生成する鍵の種類をSSH-2 RSAを、生成する鍵のビット数を2048に設定します。下図に表記した3番として、生成ボタンを押下します。すると公開鍵の生成を始めますが、マウスの位置を検出してキーに反映していますので、生成中はマウスをこの画面の中央付近でずるずるっという感じで絶えず動かしてください。マウスにしたがって画面中央に生成した鍵が表示されていくのがわかります。
生成した公開鍵をファイルに保存
画面がかわり公開鍵の生成が終了したなら、画面中央を全選択(青い部分)してクリップボードにコピーしてください。これをメモ帳などで保存(ファイル名:id_rsa.pub等)すると公開鍵となりCoreserverレンタルに保存することになります(後述)。
次にこの鍵に使うパスワード(パスフレーズ)を入力します。下の画面では影に隠れて見にくいですが、真ん中の2行の入力です。終わったら秘密鍵の保存ボタンを押して保存(ファイル名:rsa.ppk等)します。
Coreserverに公開鍵をセットアップする
サーバに公開鍵を設定するのは簡単です。サーバのユーザフォルダのトップにFTPソフトで.sshフォルダーを作成、公開鍵ファイル(id_rsa.pub)を転送し、autorized_keysファイルに中身をコピーするだけです。もし既にautorhized_keysファイルがある場合は、既存のファイルに追記してください。
>mkdir .ssh
>cd .ssh
>#FTPソフトで、id_rsa.pubファイルを.sshフォルダーに転送してください
>#整形する
>ssh-keygen -i -f id_rsa.pub > id_rsa_ssh.pub
>#autorized_keysに追加する
>cat id_rsa_ssh.pub >> authorized_keys
ごった煮で直接生成した公開鍵ファイル”id_rsa.pub”は、そのままauthorized_keysに記述することが出来ません。ssh_keygenコマンドで適切なフォーマットに整形する必要があるので注意してください。
PuTTYのセットアップ
次は、パソコンからサーバにssh接続するための設定です。windowsスタートボタンから、”PuTTごった煮”にインストールしたPuTTYプログラムを起動してください。
まずは、最初の起動画面に示した赤枠内を記入します。
- ホスト名
- ポート番号
- 接続タイプはSSH




次に、右のカテゴリーから接続・データを選択。左に表示された自動ログインユーザ②へログインユーザ名を入力してください。
次に、右のカテゴリーからSSH・認証を選択し、先ほど作成したrsa.ppk(秘密鍵)ファイルの場所を入力します。
最後に、これらの設定を保存します。一応、ここでは便宜的にcoreserver_sessという名前で保存することにします。
②にcoreserver_sessと入力し、③保存ボタンをクリックします。
- 右のカテゴリからセッションを選択
- セッション一覧に保存する名前を入力
- 保存ボタンをクリック
PuTTYの設定は以上。
接続の確認
セッションとしてcoreserver_sessで保存した状態で、画面中央下にある開くボタンをクリックすると接続の確認が出来ます。パスワードの入力プロンプトが表示されますので、公開鍵を作った際のパスフレーズを入力して、無事接続されれば完了です。
- パスワードの入力を間違えるとWrong passphrase
- 無事接続できた場合
接続画エラーとなる場合
なんらかの原因でエラーとなる場合があります。
Puttyのログをとってみると、”Server Refused our key“というエラーがある
又は、
場合は、以下の内容を順に確認してください。
- サーバーに.sshフォルダーが作成されているか?
- ss.hフォルダー内のauthorised_keysファイルにはSSH形式に変換された公開鍵“id_rsa.pub”が格納されているか?
- パーミッションは、.sshフォルダーは700,authorised_keysファイルは600に設定されているか?
だいたいこれらのチェックでエラーが解消されるはずです。
サーバにSubversionをインストールする
Subversion
Subversionは、ソースコードのバージョン管理ソフトウェアで今回はCoreserverにインストールしてみる。Coreserverのようなレンタルサーバでもソースコートよりコンパイル&ビルドするとインストールが可能です。動作可能なバージョンの入手およびインストールのコマンドがわかればそんなに難しくはありません。
どのバージョンがいいのか、今回いろいろ調べた結果、Ver1.6.9または1.7.9であればコンパイル時にエラーもなくインストールすることができました。
実際のインストールは、ユーザフォルダーにTMPフォルダーを作成しておこないました。
Subversionの入手およびインストール
>mkdir ~/tmp
>cd ~/tmp
>wget http://archive.apache.org/dist/subversion/subversion-1.7.9.tar.gz
>tar zvxf subversion-1.7.9.tar.gz
>cd subversion-1.7.9
>./configure –prefix=$HOME/XXXXX \
–with-ssl \
–without-apx \
–without-sgn \
–without-xxx
>make
>make install
これで、~/packages配下にSubversionがインストールできたので、.bashrcファイルに以下の内容を追加します
export path=~/packeges/bin:$path;
編集を終えたら、以下のコマンドを実行し編集内容を反映します。
>source ~.bashrc
この記事は、ValueDomainのCoreserver向けの記事ですが、下記にXserverにSubversionをインストールする際の注意点が記述されています。興味のある方はご一読ください。
TortoiseSVNのインストール&設定
インストール

TortoiseSVNは、Windowsパソコン上のクライアントソフトでビジュアルなUIを提供する。見た目でファイルをチェックインチェックアウトができるので操作が非常に簡単になります。
TortoiseSVNプロジェクト日本語トップページからTortoiseSVNの最新版をダウンロードしてください。
https://ja.osdn.net/projects/tortoisesvn
ダウンロードしたMSIファイルをダブルクリックしてインストールしてください。(インストール手順は簡単なので省略します)
TortoiseSVNをサーバにSSH接続

インストールが完了したら、Coreserverに接続します。接続するためには、TotoiseSVNの設定のネットワークに次のコマンドをセットアップします。
- 適当なフォルダー上で右クリックしポップアップメニューを表示させる
- TotoiseSVNをクリック
- 設定をクリック

- ネットワークをクリック
- SSHクライアントの接続コマンドラインを設定(後述)
- OKボタンをクリックして設定
接続コマンドの設定
接続コマンド、-pwでパスワード(パスフレーズ)を”pw01″ユーザを”user1″、接続セッション名を”coreserver_sess”とした場合、以下を入力する
これで、サーバにSSH接続のための公開鍵を設定し、TortoiseSVNをSSH接続するための環境が出来上がりました。
TortoiseSVNの接続先URLの指定
ここまで設定が完了し、TortoiseSVNを起動すると接続先のURLを指定しなければなりません。
このようなダイアログが表示された場合は、
というように、ごった煮で作ったセッションファイル名で接続先のサーバーを指定し、リポジトリーフォルダーの絶対パスを続けて入力してください。
以上